gomibako

思想・感情・オタク

少年

映画をよく観るようになったのはここ数年です。初心者なので、とりあえず有名な作品を片っ端から観ている。濫読ならぬ濫観(?)という感じ。

映画を観るとき俳優に全く興味を持たないタイプなんですけど、まぁやっぱりエドワード・ファーロングブラッド・レンフロには興味を刺激されました(最近初めて「ターミネーター2」と「マイフレンド・フォーエバー」「依頼人」を観た)。これ好きなやつでしょ・・・と自分でも大体予想はついてたんですけど、やっぱり好きでした。

この3作において2人が演じるキャラクターに共通してるのが、ガサツでワルっぽいけどしっかり者のいいヤツってとこ。これが本当に良かった。整いすぎて少年なんだか少女なんだかわかんない中性的な顔面のくせに、中身は生意気なクソガキってところが最高だ・・・。

かつて古代ギリシアにおいては男性性と女性性を併せ持つことが至上とされ、敢えてどちらにも見えるような姿で彫刻が彫られたという話を聞いたことがありますけど、やっぱり両性を併せ持つというのはひとつの美の完全究極形なんですね~。両性を併せ持つからこそ、どちらの性も感じないっていうのもあるのかも。アンドロギュノスの神話も不気味ながらとってもロマンティックだし、この世ならぬ静かな魅力を感じます。

それにしても、成長した姿を検索してガッカリしつつ、いやこれでいい・・・これだからいい・・・という気持ちになりますね・・・。成長途中の一瞬の神秘が映像として後世に残ることに感謝です。永遠じゃないから美しい、刹那的であればあるほど価値がある、っていう考え方はあんま好きじゃないんですけど。なんか負け惜しみって感じがするし。あと若さへの隷従、処女性の崇拝というのとも繋がってる感じします。しかし悔しいけれど「限定」っていうのに弱いのはもうどうしようもないんです(コスメとか・・・)。

映画でのいわゆる”少年性”というテーマに関しては、「ベニスに死す」のビョルン・アンドレセンや「御法度」の松田龍平などに表現された”死・性・陰鬱・妖艶・狂気”といったイメージが強いです(少女性も「ロリータ」「小さな悪の華」「ヴィオレッタ」とかのそういう暗いイメージが多いかも)。でもそれよりも、「マイフレンド・フォーエバー」や「スタンド・バイ・ミー」みたいな、一般的に友情物語として括られる作品の方が好きだなぁ。最後に残る切なくて苦い感情は、感覚的には「友情物語」っていうだけではもの足りないですけど。前者が陰の少年性なら、後者は陽の少年性。エロスとタナトスに絡めとられる少年たちよりも、フィリアで繋がれた少年たちの感情がきらめく物語が好きだな、と改めて思いました。死を扱ってなお爽やかさが勝る作品っていいですよね・・・。おすすめの作品があったら是非教えてほしいです。