gomibako

思想・感情・オタク

人類滅亡の快楽

遅まきながら「シン・ゴジラ」を観て(アマプラで配信開始した)、エヴァ好きとしては庵野さんさすが〜と思いながらこれを思い出した。 

 

 

エヴァもシンゴジも同じく「人類が危機に晒される快楽」を強く感じたな〜。庵野さんの趣味か?エヴァだと人類は補完されて意識の個別性と肉体を失うし、シンゴジだと「大量の人型ゴジラが世界に拡散される」可能性を示唆して終わる。ラストで不穏な余韻を残す映画、メチャクチャ好み・・・。

それと比べると、ハリウッド映画でよくある「地球は俺が救うぜ!」的なやつ(「アルマゲドン」とか「12モンキーズ」みたいな)は「(全体的・抽象的な)人類滅亡しそう」が強力な後景になってて、実存的人間の個人的・具体的な生を効果的に前景化する強制的ハッピーエンドシステムになっている。多少(わりと多い)の人死にはハッピーエンドに陰を落とさない辺り、ハリウッドはこまけぇこたぁ気にしないですね(日本映画だとそうはいかない気がする)。それはそれで良いんですけど、やっぱり私は最後の最後に不穏なワンシーンを持ってきて「もしかしたら・・・」と思わせてくれるような映画が好きです。まぁでも一番好きな人類滅亡映画は「博士の異常な愛情」なんですけどね。アルマゲドンでハウンドが「観た?」って言ってましたね。映画って完全に神の視点なので、ハッピーもアンハッピーも似たようなもんだよな・・・と思います。

「人類滅亡」というディストピアはひとつの理想なんだな、と改めて考えると不思議ですよね・・・まぁでもほんとに滅亡したら私だっていないわけだし、そんなに恐ろしいことではない。一番恐ろしいのは「ゼロ・グラビティ」とか「月に捕らわれた男」みたいなやつですよ・・・マジで・・・宇宙は・・・怖い・・・・・・

 

ベンヤミンは興味あるし読みたいんですけど、文章が難解でなかなかとっつきにくい。なのでこういうbotでエッセンスだけ楽しめるのはありがたいですね。「芸術の政治化」って何だ?気になる。

ファシズムの歴史の「何故そうなったか?」という過程にはとても興味があって、それに社会学・心理学的な説明を施す本は読むんですけど(フロム「自由からの逃走」とか)、どうしても具体的な惨状は知りたくないという気持ちがあって・・・。戦争映画が大嫌いなので・・・。戦争映画は神の視点じゃなくて、人間としての現実的な視点なのでキツい。そういう理由で観られてない映画いっぱいある。観る覚悟ができる日は来るのか・・・。